圧送工事とは
人の手が届かない地上数十メートル、
現場の隅々まで生コンを迅速に送り届ける。
コンクリート圧送工事とは、建設現場に届いた生コンクリートを、専用の「コンクリートポンプ車」を使って建物の枠組み(型枠)の中へ送り届ける仕事です。
ビルやマンションの建設現場では、大量の生コンを人の手で高い場所や奥まで運ぶのは不可能です。さらに、コンクリートには「時間が経つと固まる」というタイムリミットがあるため、一気に送り込める圧送工事が必要不可欠になります。
現場はミスが許されない時間との勝負。重い生コンを隅々まで均一に、スピード感を持って流し込む職人技が求められます。
万が一、内部に空洞ができると建物の耐久性に直結するため、非常に責任の大きな工程です。
ここで私たちが寸分の隙もなく強固な土台を作るからこそ、その後の「左官」による美しい仕上げへとバトンを繋ぐことができます。
なぜ圧送工事が必要なのか
コンクリートの建物を建築する際に、圧送工事は必ず必要です。その理由は「人の手では運べない大量の生コンを、固まる前に現場へ届ける唯一の方法」だからです。クレーンさえ届かない高所や奥まった場所へ、品質を保ったままピンポイントで送り届ける。圧送工事が必要とされる具体的な3つの理由を解説します。
生コンクリートはすぐ固まる!
固まる前に打ち込みを完了させるため
生コンクリートは「時間と共に固まる」ため、スピードが命です。ミキサー車から届く大量の生コンを、品質が落ちる前に一気に対象の場所へ送り込める配管設計と、現場のタイムマネジメント(圧送技術)が必要になります。
生コンクリートは重く扱いづらい!
高所や遠い場所に送り届けるため
現代のビルやマンション建築では、地上数十メートルの高所や、クレーンすら近づけない狭い奥まった場所への施工が日常茶飯事です。どんな複雑な現場でも、適切なルートでパイプを繋ぎ、ピンポイントで生コンを輸送するプロの「搬送力」が不可欠です。
生コンクリートは継ぎ目が天敵!
隙間なく打設し建物の強度を守るため
施工途中で流込みが止まってしまうと、「コールドジョイント」と呼ばれる継ぎ目ができてしまい、建物の強度低下の原因になります。一定の圧力で一気に流し込むことで、ムラのない、均一で頑丈なコンクリートに仕上げることができます。建物の強度や品質維持のために圧送は不可欠です。
圧送工事の仕事の流れ
STEP01
ポンプ車のセッティング
現場に到着後、まずは「心臓部」となるポンプ車を設置します。車体から左右に伸びる脚(アウトリガー)をしっかり張り出し、巨大なブームを動かしても転倒しないよう、地盤を固めて車体を水平に固定。この地道な準備が、安全な作業の土台となります。
STEP02
生コンクリートの受け入れ・圧送開始
設置が完了すると、ミキサー車からポンプ車の後部にある受け皿(ホッパー)へ生コンクリートが投入されます。ここからポンプの力で圧力をかけ、ホースや配管を通じて、コンクリートを建物の上層階や奥深くへと送り出します。
STEP03
熟練の操作で狙った場所へ打設
オペレーターがリモコンで巨大なブームを自在に操り、ホースの先端まで生コンを運びます。先端を持つ作業員は、勢いよく出る生コンの流れをコントロール。型枠のすみずみまで均一に、隙間なく流し込むために、息の合ったチームプレーが光る瞬間です。
STEP04
相棒のポンプ車を清掃・メンテナンス
圧送工事終了後は、配管やポンプ車内に残った生コンをきれいに洗浄します。固まると故障の原因になるため、最後まで丁寧に機材をメンテナンスし、次の現場へと備えます。

