建物の印象を大きく左右する重要な箇所の一つに、基礎の立ち上がり部分を保護・装飾する「巾木(はばき)」があります。今回は、その巾木をモルタルで美しく仕上げる作業に密着!特に、細やかで丁寧な仕事で定評のある女性左官職人の技術に注目します。
1. 🏡 巾木モルタル塗りの「目的と役割」
巾木は、建物の足元を雨水や汚れから守るという機能的な役割と、建物のデザインを引き締めるという装飾的な役割を持っています。
- 機能面: 基礎コンクリートを紫外線や雨水から守り、劣化を防ぐ。
- 美装面: 土台部分と壁面の境目をすっきりと見せ、建物の外観をシャープに引き締める。
この小さな面積の仕上げこそ、職人のコテ捌き(こてさばき)の精度が問われる部分なのです。
2. 👩🔧 繊細な感性が光る!巾木塗りのプロセス
巾木モルタル塗りは、「均一な厚み」「シャープな角(カド)」「美しい曲線」の3つを同時に実現する、精密な作業です。
① 下地処理と墨出し:精度を確保
仕上げの美しさは、準備で決まります。
- 下地調整: 巾木の下地となる基礎コンクリート表面のホコリやレイタンス(弱い層)を入念に除去し、モルタルの密着性を高めます。
- 水切り定規の設置: 巾木の上端や側面の仕上げラインを美しく出すため、**定規(規矩術)**を使って基準線を正確に墨出しし、場合によっては専用の定木を設置します。
② モルタルの練り:最適な粘度を探る
巾木は、壁面とは異なり、材料が垂れないようにやや硬めに練ったモルタルを使用します。
- 女性職人のこだわり: 硬すぎず、柔らかすぎず、コテにしっかりと乗り、かつ塗り付けた後に流れ落ちない「最高の粘度」を作り出します。季節や天候によってわずかに配合を調整する、この繊細な感覚が、仕上がりの均一さに繋がります。
③ コテ捌き:一発勝負のスピードと正確さ
モルタルを塗り付ける際、職人はコテを使い分けます。
- 塗り付け: モルタルを基礎の側面に塗り付け、定規や目印に合わせて大まかな厚みを作ります。
- 角出しと押さえ:
- 巾木の上端や出隅(でずみ:角)は、特にシャープでなければなりません。女性職人は、細部の感覚を活かしてコテの角と面を使い分け、モルタルを隅々まで押し込みながら、ピンと張った美しいラインを創り出します。
- モルタルの硬化を見計らいながら、最後に**金鏝(かなごて)**で押さえて表面を滑らかにし、強度と光沢を与えて仕上げます。
3. ✨ 巾木が建物の「顔」になる
巾木モルタル塗りの仕上がりは、建物の外壁や屋根の色味と相まって、その建物の「品格」を決定づけます。
細部にまで気を配る女性左官職人の仕事は、単にモルタルを塗るだけでなく、建物を守る機能と美しさを両立させるデザインを提供しています。この丁寧な手仕事こそが、工場で大量生産された部材にはない、左官工事ならではの価値なのです。
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