壁モルタル金鏝仕上げ

2025/11/04

🎨左官の極意!金鏝(かなごて)モルタル仕上げが魅せる洗練された空間

今回は、数ある左官仕上げの中でも、特にシャープでモダンな空間を演出する「金鏝(かなごて)モルタル仕上げ」にスポットを当ててご紹介します。

一見シンプルに見えるモルタルの壁や床も、実は職人の繊細な技が凝縮されているんですよ!

✨金鏝モルタル仕上げの魅力とは?

「モルタル仕上げ」と聞くと、打ちっぱなしのような無骨なイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、この「金鏝」で仕上げたモルタルには、他の仕上げにはない独特の魅力があります。

1. 均一な平滑さと光沢

「金鏝」と呼ばれる金属製のコテで、表面を何度も丁寧に押さえつけることで、モルタルの表面は鏡のように滑らかで平滑に仕上がります。光を当てるとわずかに反射する、この上品な光沢感が、空間に洗練された印象を与えます。

2. 職人の「コテむら」が作る唯一無二の表情

機械では決して出せない、コテを動かした際に生まれる**微細な「コテむら(塗り跡)」**が、モルタルに豊かな表情を与えます。このムラが、無機質なモルタルに温かみや奥行きを生み出し、見る角度や光の加減によって表情を変える芸術的な仕上がりとなります。

3. クラック(ひび割れ)防止効果も

金鏝で表面をしっかりと押さえることで、モルタルの組織が緻密になり、表面の強度が高まります。これにより、モルタル仕上げで懸念されがちな微細なクラック(ひび割れ)の発生を抑える効果も期待できます。

🔨「金鏝仕上げ」の繊細な作業工程を追う!

この美しい仕上がりは、職人がモルタルの**「水引き具合(乾燥の進み具合)」**を肌で感じ取り、最適なタイミングで作業を進めることで実現します。

1. 下地処理と吸水調整

モルタルを塗る前に、下地となるコンクリートやブロック面をきれいにし、接着力を高めるための吸水調整剤を塗布します。これは、モルタルが下地の水分を急激に吸い取られて浮いてしまう(ドライアウト)のを防ぐ、非常に大切な工程です。

2. モルタルの塗り付け(下塗り・中塗り)

適切な厚みでモルタルを塗り付け、**定規(定めた寸法を示す部材)**を使って、平らに均していきます。この段階では、まだ表面はざらざらとした状態です。

3. 「水引き」を見極める

ここからが金鏝仕上げの醍醐味です。モルタルが硬化を始め、余分な水分が引いていく(水引き)のを待ちます。早すぎても遅すぎてもダメ。この「頃合い」を見極めるには、長年の経験と勘が必要です。

4. 金鏝による「押さえ」仕上げ

頃合いを見計らって、金属製の金鏝でモルタル表面を力強く、そして丁寧に押さえていきます。一度で終わらせるのではなく、モルタルの締まり具合を見ながら**複数回(2回〜3回以上)**繰り返し押さえることで、表面がどんどん滑らかになっていきます。


💡豆知識:金鏝仕上げと刷毛引き仕上げの違い

モルタル仕上げには、金鏝仕上げ以外にも「刷毛引き(はけびき)仕上げ」というものがあります。

仕上げの種類表面の質感主な用途
金鏝仕上げツルツル、滑らか、光沢がある壁、屋内床、デザイン性の高い土間
刷毛引き仕上げザラザラ、細かい筋目がある屋外の床(アプローチ、駐車場など)

刷毛引き仕上げは、表面に筋目をつけることで滑り止め効果を持たせます。一方、金鏝仕上げは滑らかさが特徴のため、人が頻繁に歩く屋外の床に使用する場合は、滑りやすさに注意が必要です。

👷まとめ

金鏝モルタル仕上げは、熟練の左官職人による技術の結晶です。

シンプルで無駄のない表情の中に、光と影を美しく映し出す「コテむら」が、空間に深い味わいを与えてくれます。この仕上げにご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください!