先日 「左官技能検定講習会」に参加してきました。
技能検定とは、左官職人としての技術力を公的に証明するための試験であり、試験合格を目指す職人たちのための講習会です。

講習会は、朝から夕方まで、非常に密度の高い実技訓練が繰り広げられました。今回の主なテーマは、様々な種類の壁を美しく仕上げるための「塗り」の技術です。
私たちが日頃扱うコテという道具は、その操作一つで壁の仕上がりが大きく左右される繊細なものです。講習会では、社長から直々にコテの角度や力の加減、さらには材料の練り方といった、細部にわたる指導をいただくことができました。
当初は思うようにいかず、壁面が不均一になったり、材料が垂れてしまったりと、試行錯誤の連続でした。しかし、何度も練習を重ねるうちに、少しずつですが、手と身体に感覚が馴染んでいくのを実感しました。周囲の受講生たちも皆、真剣な眼差しで壁と向き合い、その集中力には目を見張るものがありました。

講習会において最も感動を覚えるのは、やはり「完成」の瞬間です。
当初は粗かった壁面が、自身の作業によって徐々に平滑になり、最終的に完璧な仕上がりを見たときには、言葉にできないほどの達成感がこみ上げてまいります。集中して汗を流した分だけ、その喜びはひとしおです。
同じ目標を共有する仲間たちが、それぞれに小さなガッツポーズをする姿も印象的でした。共に努力する仲間たちの存在は、私たちにとって大きな支えとなります。
今回の講習会に参加し、左官の仕事の奥深さを改めて痛感いたしました。
単に壁を塗るという行為の裏には、職人の長年の経験に裏打ちされた技術、豊富な知識、そして何よりも「最高の壁を創り上げる」という揺るぎない情熱が込められています。
今回の講習会で得た学びを糧に、今後も一層技術向上に励んでいきます。
これからも、このブログを通じて左官の魅力を発信してまいりますので、どうぞご期待ください。